今日は音楽と学力の関係について、ぜひとも訴えたい海外ブログの紹介です。
世界的な金融危機がアメリカ学校経営にも直撃しているようです。
学校予算が削られると真っ先に削られる授業・・・それは音楽などの芸術分野。
ではなぜ、音楽を削るのでしょうか。
落ちこぼれゼロ法案(The No Child Left Behind Act・ブッシュ政権時による法案・2002年)では
ある一定の基礎的な学力を生徒全員が身につけなければならないとされており、
一定レベルに達しないと予算がカットされてしまうのです。
そのため、休み時間や音楽といった余分な時間は
基礎学力を学ぶ上で「邪魔」になっていると考えられているようです。
果たして、本当に音楽はそういった基礎学力にとって邪魔なのでしょうか。
Peter Miksza氏が1988年に行った長期的な調査研究では、
音楽の授業を取っていた生徒のほうが、取らなかった生徒よりも
数学・国語・理科・社会のすべての科目で
テストの点数が高かったことが分かりました(下図参照)。
この結果には、両親の年収や仕事・地位などといった社会経済的状況も関連していました。
しかし、そういった要因を取り除いても
音楽の授業を取っていた生徒のほうが、点数が高かったのです。
しかし残念ながらこの研究だけでは
音楽の授業が学力向上の原因となる
とは言えないようです。
なぜなら、もしかしたら音楽の授業を取らなかった生徒よりも
音楽の授業を取っていた生徒の方が、元々の学力が高かったからかもしれないからです。
さらに、音楽の授業を取らなかった生徒がもし音楽の授業を取っていたら
学力が向上したかどうかについても、この研究結果からだけでは分かりません。
でも、少なくともこの研究結果から分かること。
音楽を授業をやめることは、学力の向上にはつながらないということです。
<<今日の単語>>
participate in・・・~に参加する(名詞:participation)
correlation・・・相関関係
longitudinal・・・経度の、縦の、長さの;長期的な
distract・・・心をそらす、気を散らす
compelling・・・強制的な、説得力のある
caveat・・・(法)差し止め要求;警告、抗議
Source(文章・画像とも):
Music participation doesn't appear to diminish performance in other schoolwork
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